焼津水産 N-アセチルグルコサミンで肌のうるおい改善
N-アセチルグルコサミンで肌の潤いを改善しよう、という特許です。
N-アセチルグルコサミンは、自然界に広く存在するアミノ糖です。例えば甲殻類や昆虫の外骨格を構成するキチン質は、N-アセチルグルコサミンをモノマーとしています。ですから、カニなどの甲殻類を加工して余った殻を原料とし、これを分解することでN-アセチルグルコサミンを製造することができます。
また、N-アセチルグルコサミンはヒアルロン酸のモノマーでもあります。ヒアルロン酸は関節の軟骨に多量に存在し、クッションのような作用をして関節の動きをスムーズにしているとされています。「N-アセチルグルコサミンを摂取することで体内でヒアルロン酸が作られるのではないか」という考えに基づいて、様々なサプリメントに使用されています。特に、同じく関節の軟骨を構成するコンドロイチン硫酸と組合わせたサプリメントが多いように見受けられます。
発明者は、N-アセチルグルコサミンをコラーゲンと組合わせて摂取することで皮膚にも効果があるとして特許を取得しました。ヒアルロン酸は化粧品や美容食品に広く使用されています。ですが、皮膚に塗ったとしても高分子なので吸収されません。また、食べても消化吸収されない場合があります。低分子のN-アセチルグルコサミンであれば、経口摂取すればすぐに吸収されると考えられます。
焼津水産はN-アセチルグルコサミンの製造に強みを持っています。N-アセチルグルコサミンの健康機能を明らかにして、商品価値を高める研究に力を入れているようです。こういった食品原料の供給メーカーは、自社から原料購入した場合には特許の使用を許可する、というのが一般的です。
研究によって、顧客には用途やエビデンスを提供し、競合を特許で排除する、という戦略のようです。
【特許番号】
P4249853
【名称】
経口用皮膚潤い改善剤
【特許権者】
焼津水産化学工業株式会社
【課題】
経口摂取することにより、皮膚の潤いを改善する、経口用皮膚潤い改善剤を提供する
【請求項】
N-アセチルグルコサミンとコラーゲンとを有効成分として含有する、経口用皮膚潤い改善剤。