食品特許を読みあさろう

食品関連の特許をアレコレ読んで紹介します

東洋紡績 ポリアミン含有物で毛髪や皮膚を改善する

ポリアミンを含有する植物の抽出液を使った、肌や毛髪の改善剤に関する特許です。

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ポリアミンは、第一級アミノ基を複数持った直鎖炭化水素の総称です。細胞内で核酸の合成に必要な物質なので、動植物やバクテリアなど生体中に広く存在しています。といったように生化学分野では重要な物質なのですが、実験などで実際に扱ったことがある人には別の意味で印象的な物質です。化学をやったことのある人なら、構造を見て「臭そう」って思うのではないでしょうか?そう、臭いんです。特にスペルミンやスペルミジンは、精液に多く含まれ、臭いはまさにそのものです。強烈です。

これについて、文献では『ポリアミン以外の天然成分が含まれることで、ポリアミンに比べてポリアミン特有の臭気(におい)が軽減し、』とやんわりと触れられています。軽減されるみたいで良かったですね。

 

さて、特許文献によると、ポリアミンを毛髪を作る細胞に作用させると、毛髪をたくさん作るようになったとのことです。

また、ポリアミンを皮膚の細胞に作用させるとコラーゲンやヒアルロン酸を多く作るようになったとのことです。美容液に添加して肌に塗ると、しわ、たるみの改善に効果があった、とのことです。

  

食品として口から摂取したときの効果については言及されていません。もしかしたら食べても効果があるのかもしれません。

ポリアミンを多く含む食品は納豆などの大豆発酵食品に多く含まれます。大豆以外では白子やキノコにも多く含まれます。

男性が自家生産したポリアミン含有物を塗ったり飲んだりする必要はなさそうです。

 

【特許番号】

P5018171

【名称】

植物由来の賦活化剤及び細胞外マトリックス産生促進剤

【特許権者】

東洋紡績株式会社

【課題】

植物由来の賦活化剤及び細胞外マトリックス産生促進剤

【請求項】

大豆種子、大豆胚芽、大豆胚、大豆芽、小麦種子、小麦胚芽、小麦胚、小麦芽、豆乳及びオカラからなる群より選ばれた少なくとも1種以上に酸溶液を添加し、pH6.0以下の酸性条件下で抽出する工程を含む工程により得られた植物由来ポリアミン含有抽出物を有効成分とすることを特徴とする皮膚細胞、毛乳頭細胞又は毛母細胞の賦活化剤。