食品特許を読みあさろう

食品関連の特許をアレコレ読んで紹介します

ネスレ カプチーノのような泡を生じるクリーミングパウダー

お湯を注ぐとカプチーノのようなクリーミーな泡が生じる粉末についての特許です。

「ネスカフェ ホームカフェ」シリーズに使用されていると思われます。

カフェオレの素などの粉末には、クリーミングパウダー(クリーマー)と呼ばれる原料が一般に使用されます。クリーミングパウダーは乳製品や植物性油脂を粉末化したものです。水を加えて分散させると、白く乳化したミルクやクリームのような液体になります。乳製品そのものの乾燥粉末とは違い、目的に応じて様々な原料を加えています。そのため、機能(溶解性、乳化力、風味、など)が優れていたり、価格が安いといったメリットを持たせることができます。

用途は幅広く、様々な粉末飲料、スープ、デザートなどに使用されています。

食品原料用としてだけでなく、家庭向けにコーヒー用クリーミングパウダーも販売されています。

発明者はクリーミングパウダーに空気を閉じ込め、溶解時に泡が生じるようにしました。おそらく、脂質中に気泡が入り、炭水化物とタンパク質で安定化されているものと推測します。

原理としては複雑ではありませんが、実際に生産するとなると特許文献に記述されていない様々なノウハウがあることが想像できます。モノは特許で押さえつつ、製造ノウハウは秘匿する、という理想的な特許の取り方だと思いました。

 

【特許番号】

P4381641

【名称】

起泡成分およびこれを含有する粉末

【特許権者】

ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー

【請求項】

炭水化物と、タン白質と、加圧下で捕集されたガスと、を含有するマトリックスを有する可溶性起泡剤成分から成る可溶性食品粉末であって、前記炭水化物は、ラクトース、デキストロース、フラクトース、シュクロース、マルトデキストリン、コーンシラップ、澱粉、加工澱粉、シクロデキストリン、またはこれらの混合物であり、前記タン白質は、乳タン白(カゼインまたはホエイ、または双方)、大豆タン白、小麦タン白、ゼラチン、カゼイネート、またはこれらの混合物であり、前記ガスは、窒素、炭酸ガス、空気、またはこれらのガスの混合物であり、可溶性食品粉末を溶解できる液体に溶解すると、可溶性起泡剤成分1gにつき少なくとも約5ml容積の泡を発生することができる、可溶性食品粉末。