食品特許を読みあさろう

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森永製菓 焼チョコ「ベイク」のつくり方

森永製菓のチョコレート菓子「ベイク」の製法についての特許です。

チョコレートは口の中で融けることが魅力的なお菓子です。ですが、食べる際に手の体温で融けてベトついたり、気温が高いと食べる前に融けてしまうなどの欠点があります。そこで、「m&m's」のように糖衣で覆うことで手に付かないにしたものなど、様々なチョコレート菓子が販売されています。

ベイクもそのような手に付かないチョコレート菓子です。チョコレート生地を焼成することで、表面を固めて手に付かないようにしています。表面だけがパリっと焼き固められて、中はとろけるチョコレートの食感です。

ベイクでは、焼く前のチョコレート生地に気泡を含有させています。気泡によって、生地の保型性が増して製造過程で焼いたチョコ生地が崩れにくくなるそうです。クリームやメレンゲを泡立てると保型性が増すのと同じ原理です。

気泡を含ませると体積が大きくなって、コストをさほどかけずに見た目のボリューム感をアップできます。

 

油脂と粉末の混合物に気泡を含ませて焼き固める、という発想は他の分野にも応用できそうなアイデアです。アイデア、製造技術、美味しさが一体になった商品開発で見習いたい素晴らしい商品です。

【特許番号】

P3665168

【名称】

焼き菓子の製造法

【特許権者】

森永製菓株式会社MORINAGA

【課題】

チョコレートを主原料とし、融点以上の温度に放置してもべとついたり、形が崩れたりすることがなく、手指を汚さずに食することができ、しかも歯触りがよく軽い食感を有し、焼成時に形崩れしにくい焼き菓子の製造法を提供する

【請求項】

チョコレート生地に気泡を含有させて比重0.7~1.1にした後、成形し、焼成して固化することを特徴とする焼き菓子の製造法。