ライオン ラクトフェリンで高脂血症を改善する
ラクトフェリンと植物の抽出物からなる歯周病に起因する高脂血症の改善剤に関する特許です。
ラクトフェリンは生乳に含まれるたんぱく質で、乳児の免疫を助けているとされています。近年の研究から、ラクトフェリンに多様な効果があることが示唆されています。その1つが歯周病予防です。ラクトフェリンが腸から吸収されると、免疫機能が高まることで歯周病を予防、改善できることが示されています。
実は歯周病の影響は「歯茎が痛い」というだけではありません。歯周病になると、歯周病菌が産生する毒素が血中に入って全身に送られる、と言われています。この毒素がコレステロールの代謝バランスを変え、高脂血症を引き起こす可能性があります。よって、歯周病を予防、改善することは全身の健康維持に重要と言えます。
発明者はラクトフェリンとある種の植物*1の抽出物を組み合わせることで、歯周病菌の毒素の影響を抑えることができると述べています。歯周病の毒素をマウスの腹腔に投与すると、コレステロール合成酵素遺伝子の発現量が増え、コレステロール分解酵素遺伝子の発現量が減る、そうです。そこに発明品を投与すると、この毒素の作用が抑えられます。食品や薬を腹腔内に投与することは稀ですから、発明品が使い物になるかは懐疑的です。まともな学術雑誌なら効果を認めてもらえないような実験方法です。しかしながら、特許取得を目的とするなら、この方法で良いのです。短期間で特許取得に必要なデータを揃えられる、素晴らしい実験手法と言えます。
近年、大学の研究を特許に結び付けよう、という取り組みが盛んにおこなわれています。成果を上げるためには「特許と論文では目的が異なり、それゆえに求められるデータが異なる」という視点が重要と思われます。
【特許番号】
P5024505
【名称】
歯周病に起因する高脂血症改善剤、ならびに口腔用組成物及び内服薬
【特許権者】
【課題】
歯周病に起因する高脂血症の詳細なメカニズムを明らかにし、歯周病に起因する高脂血症に対する優れた改善剤、その改善剤を含有する口腔用組成物及び食品、ならびに歯周病に起因する高脂血症の改善に有効な成分のスクリーニング方法を提供する
【請求項】
ラクトフェリンと、松樹皮抽出物、ローズバッツ抽出物、コウボク抽出物、オウバク抽出物、シュクシャ抽出物、ビャクシ抽出物、ライチ種子抽出物、黒米抽出物、キャッツクロー抽出物、ブルーベリー抽出物、ノブドウ抽出物及びカシス抽出物から選ばれる1種又は2種以上とからなる、歯周病に起因する高脂血症改善剤。