食品特許を読みあさろう

食品関連の特許をアレコレ読んで紹介します

三栄源 スクラロースで不快臭のマスキング

人工甘味料の1つにスクラロースがあります。砂糖の600倍の甘さで、主な用途は砂糖の使用量を減らすことによるカロリーオフやコスト削減です。砂糖とは甘味の質が異なるので、砂糖よりもスクラロースの味の方が好ましいから使用する、という場合もあるかもしれません。

本文献によると、スクラロースでペプチドやコラーゲンなどの不快臭を低減(マスキング)できる、とのことです。

この文献の面白いところは請求項です。もし、ペプチドやコラーゲンを含有する食品にスクラロースを使用した場合、不快臭のマスキングという意図がなくても特許侵害の可能性があります。

ペプチドやコラーゲンを含有する健康機能食品はカロリーオフで設計することが多いと思われるので、甘味料としてスクラロースをうっかり使用してしまわないよう注意が必要です。対応としては、①他の甘味料を使用するなど侵害の可能性を回避する、②権利者の三栄源からスクラロースを購入し権利侵害にならないことを文書で取り交わしておく、③不快臭のマスキングに効いていない証拠を整えておく、④権利を無効化する、⑤ライセンス契約をする、、などが考えられます。現実的には①か②だと思います。

権利侵害がないように、製品を設計する段階で他社の特許を調べておくことが重要です。

 

【特許番号】

P5072934

【名称】

スクラロースを含有する組成物及びその応用

【特許権者】

三栄源エフ・エフ・アイ株式会社

【請求項】

スクラロースを有効成分とする、ペプチドまたはコラーゲンに由来する不快臭のマスキング剤。

②被対象物にスクラロースを添加配合することを特徴とする、ペプチドまたはコラーゲンに由来する不快臭のマスキング方法。