食品特許を読みあさろう

食品関連の特許をアレコレ読んで紹介します

ロッテ「トッポ」 プレッツェル生地を甘くすることで、細長い筒状を実現

ロッテ「トッポ」についての特許です。

トッポは細長い筒状のプレッツェルにチョコレートが充填されたスティック菓子です。同じようなスティック菓子では、グリコのポッキーがあります。トッポはポッキーの対抗商品と言えるでしょう。

ところで、ポッキーと同じグリコからはプリッツも販売されています。スティック状のプレッツェルに塩味を主体としたシーズニングが振りかけられたものです。いわば、ポッキーの塩味版です。

では、ポッキー⇒プリッツのように、トッポの塩味版はないのでしょうか?例えば、筒状のプレッツエルの中にチーズが充填されていたら美味しそうです。食べてみたいです。しかし、ロッテからそのようなトッポの塩味版が販売されてはいないようです。なぜでしょうか?

 

その答えを特許文献から推測します。

トッポは、エクストルーダーという装置で生地が筒状に押し出された後、焼成されて筒状のプレッツェルとなります。この中空部にチョコレートを充填して製品となります。

生地を筒状に押し出す際には、生地が適度な柔らかさを持っている必要があります。そうでなければ、効率よく安定して筒状の生地を作ることはできません。しかし、柔らかい生地では、焼成前に形を保つことができない、焼成中に割れやすいなどの問題があります。

この相反する課題を発明者は、プレッツェル生地に通常よりも多くの糖類や油脂を混ぜることで解決しました。これにより、トッポ特有の細い筒状プレッツェルを製造できるようになったのです。

しかしながら、生地に10%程度の糖類を混ぜる必要があるので、どうしてもプレッツェルに甘味が付いてしまいます。チョコレートを充填している現在のトッポならば問題はありませんが、塩味系スナックにしようとすればプレッツェルの甘味が邪魔になることでしょう。

塩味系のトッポが販売されていない技術的な理由は「細長い筒状プレッツェルを造ろうとするとどうしても甘味が付いてしまうから」と推測できます。(他にマーケティング上の理由などがあるのかもしれませんが。)

などと推測していたのですが、わりと最近「フレバ」というトッポの塩味版のようなスナックが発売されていたようです。と、いうことは生地が甘くなってしまう課題は解決されたのでしょうか?

このスナックはおつまみ市場を狙って、味付けの粉がたっぷりの濃い味スナックのようです。ハッピーターンの粉が2倍になった商品にならった、粉たっぷり仕様です。

推測ですが、プレッツェル生地の甘味に違和感が出ないように、粉をたっぷり付けて濃い味にしてるのではないでしょうか?王道のシンプルな薄味系がないことから、生地の甘さの問題は解決されていないのではないでしょうか?

実際、フレバを食べてみましたが、生地にやや甘味があるような気がしました。

 

このように、特許文献を読みながら、商品の企画、開発について想像を膨らませるのは楽しいものです。

その点トッキョってすげぇよな(笑)

 

【特許番号】

P2894946

【名称】

プレッツェルおよびその製造方法

【特許権者】

株式会社ロッテ

【課題】

中空筒状の焼成生地を有してなるスティック型のプレッツェルを提供すること

【請求項】

穀粉100重量部、糖類5~30重量部、油脂10~30重量部および澱粉20~50重量部を主成分とする生地を焼成して得られる外径が15mm以下で、かつ内径が外径の40%以上である中空筒状の焼成生地を有してなるプレッツェル