食品特許を読みあさろう

食品関連の特許をアレコレ読んで紹介します

エムレボ 羽のない遠心式攪拌機

羽のないの撹拌機に関する特許です。FOOMAで見てすごい!って思いました。

液体を混合するために羽のついた撹拌機がよく使用されます。例えば、製菓用などに使われるハンドミキサーなどがあります。羽を回転させることで液体を撹拌します。用途に応じて様々な羽の形状が考案されており、撹拌機の進化は羽の形状の進化という側面があります。

 

発明者は羽のない撹拌機を生み出しました。構造や原理は単純で「この手があったか!」と驚くほどです。具体的には、円柱状の構造物の回転軸方向と回転軸に対し垂直方向に穴があいていて、その穴が円中内部でL字型につながっています。円柱が回転すると、回転軸に対し水色方向の穴の内部の液体が遠心力で円中内部から放出されます。そして回転軸方向の穴から液体が吸入されます。こうして、回転する円柱を中心とした流れが発生して撹拌をすることができます。

※説明のために「液体」と書きましたが流体であれば気体でも撹拌できます。

 

この撹拌機は特に食品用に限定された装置ではありませんが、食品分野でも導入が進むのではないかと思います。

例えば、撹拌羽がないのでせん断力に弱いモノでも撹拌できる、撹拌時に気泡が発生しにくい、撹拌負荷が小さく省エネになる、容器との接触によるバリが生じにくい、洗浄しやすい、などのメリットがあります。詳しくは製品のHPを読んでください。

開発に携わる技術者であれば、実用化はともかく応用できそうなアイデアがすぐに思いつくことでしょう。先日の展示会FOOMAでこの装置を知り、私もアイデアを大いに刺激されました。具体的には、、、仕事のネタなので書きませんけどね。

 

これまでの「撹拌機の進化≒羽の形状の進化」という流れを大きく変貌させるすごい発明だと思いました。

【特許番号】

P4418019

【名称】

攪拌用回転体および攪拌装置

【特許権者】

村田 和久

【課題】

用途を問わずに安全且つ効率的な攪拌を行うことが可能な攪拌用回転体および攪拌装置を提供する

【請求項】

回転軸方向に垂直な断面が円形状に構成される本体と、前記本体の表面に設けられる吸入口と、前記本体の表面に設けられる吐出口と、前記吸入口と前記吐出口を繋ぐ流通路と、を備え、 前記吸入口は、前記吐出口よりも前記回転軸に近い位置に配置され、前記吐出口は、前記吸入口よりも前記回転軸から半径方向外側の位置に配置されることを特徴とする、攪拌用回転体。