グラフィックパッケージング 電子レンジでカリッとピザが焼ける容器
電子レンジでパンやピザにカリカリの焼き目を付けることができる容器についての特許です。
電子レンジで焼き目を付ける、といえば小林製薬の「チンしてこんがり魚焼きパック 」がヒットしました。原理は、シートに電子レンジのマイクロ波を吸収する金属などを混ぜ込んで高温になるようにしている、というものです。
発明者はパンやピザ生地が電子レンジでカリカリに仕上がるよう、マイクロ波を吸収する素材でできたトレイに適切な凹凸をつけました。
冷凍食品は保存中に水分が移行してしまうので、カリカリ感を保つのが難しいという課題があります。揚げ物類ではサクサクのものが今や珍しくはないですが、サクサクの冷凍揚げ物が登場したのは20年ほど前です。
ニチレイの「衣がサクサク牛肉コロッケ」という商品が業界の常識を打ち破りサクサクの冷凍コロッケを生み出し、大ヒットしました。
原理は、中身の水分が衣に移行しないようバッターでコーティングするというものです(詳細は特許第3370199号)。この特許以降、各社でより良いサクサクの冷凍揚げ物を作る技術が開発されました。ですが、中身をコーティングして水分以降を防ぐ、という根本的な発想はどれも共通しています。
言いかえれば、冷凍パンやピザなど水分の多い部分をコーティングすることのできない食品では、電子レンジ加熱ではサクサクを実現できないということです。この発明は、「水分移行を防ぐ」のではなく「電子レンジで焼く」という発想です。この発想を使えば、パンやピザのみならず、餃子、グラタン、焼きおにぎり、たこやき、などの表面を電子レンジでカリカリに仕上げることができる可能性があります。
冷凍食品がこの先もどんどん美味しくなっていくんだ、と思わせてくれます。嬉しくなりますね!
【特許番号】
P5017364
【名称】
電子レンジで使用可能な、起伏のある加熱表面を備えた構造体
【特許権者】
グラフィックパッケージングインターナショナルインコーボレイテッドwww.graphicpkg.jp
【請求項】
電子レンジで食品を加熱する、焦げ目を付ける、および/またはカリカリに仕上げるためのトレーであって、前記トレーは、第1の方向に延在する第1の中心線と第2の方向に延在する第2の中心線とを含み、前記第1の中心線は、前記第2の中心線に対して実質的に垂直であって、前記トレーは、実質的に平面なベースと、前記ベースから上向きに延在する一対の対向するプラットフォームであって、前記一対の対向するプラットフォームが前記第1の方向に延在する凹部によって分離されており、前記対向するプラットフォームのうちの少なくとも一方が、前記第1の方向において前記第2の中心線から前記ベースに向かって外方に高さが減少する、一対の対向するプラットフォームと、前記対向するプラットフォームのうちの少なくとも一方の少なくとも一部を覆うマイクロ波エネルギー相互作用要素と、を含むトレー。