食品特許を読みあさろう

食品関連の特許をアレコレ読んで紹介します

手軽に真空密閉できる容器のフタ

手軽に真空密閉できる容器のフタについての特許です。企業ではなく個人が取得してる国際特許です。どんな人なんでしょうか?

 ブタ

食品を真空パックにすることで、酸素を必要とする菌が増えること、また酸化によって風味や色が損なわれることを抑えることができます。

ですが真空パックをする為の装置はなかなか高価です。そのため一般家庭で購入することはほとんどありません。

ジップロックなどで空気を抜く、という方法もありますがきちんと空気を抜くのは難しく、手軽とは言いにくいです。

また、ポンプで脱気できる逆止弁付きの真空容器もあります。しかし、逆止弁部分に中身の食品が引き込まれてしまい、その部分が清潔に保てなくなる場合があります。

そこで発明者は、食品をタッパーのような容器内に入れ、蓋を押すと空気が抜けて押すのを止めても空気が中に入らないようなフタを作りました。フタの周囲に、変形しやすいふちと、変形しにくいふちを組合わせて逆止弁の効果を持たせています。従来の逆止弁付き容器よりも単純な構造で造りやすく、洗いやすいものと推測します。詳しくは特許文献に記載の図を見てください。

 

食品を真空状態で保存する、というのは科学技術としては難しいことではありません。それを家庭で簡単に実現できるようにすることに価値があると言えます。

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一般に、科学技術を使うとお金がかかります。食品は1個100円とかで売られます。1円の原価が利益を大きく左右する工業製品なのです。ですから、高度な科学技術でしか実現できなかったことを、より単純で原始的な方法で実現するための技術が求められます。

そういう視点を持つと食品を見るのが楽しくなります。高度な先端の科学技術ではなくとも、技術が詰め込まれています。食品を観察してどんな技術、知恵が詰め込まれているのかを推理するのは面白いです。

 

【特許番号】

P5016673

【名称】

腐敗しやすい製品を密閉するための真空生成装置および使用方法

【特許権者】

カイ、エドワード ゼット CAI,Edward Z. ※個人

【課題】

腐敗しやすい製品を収容するのに適したディッシュまたは容器のための蓋を有する真空密閉装置を提供する

【請求項】

 腐敗しやすい製品を密閉するための真空生成装置において、

 腐敗しやすい製品を収容するのに適した容器のための蓋であって、前記容器を密閉するための、空気に対しほぼ不浸透性であり空気が通り抜けて容器内に入るのを防止する弾性膜と、前記弾性膜の周縁端部に接続された剛性縁部であって、前記弾性膜が容器の内部を指向して押し込まれ容器から空気を強制排出するときに前記剛性縁部が変形することを防止するために、十分な剛性を有する材料からなる剛性縁部とを備える蓋を含んでなり、

 前記弾性膜は前記剛性縁部が前記容器に取り付けられていないときに前記弾性膜を引き伸ばした状態に保持するために十分な張力をもって前記剛性縁部によって支持され、前記引き伸ばした状態では前記弾性膜の厚さは引き伸ばされない状態に比較して少なくとも3%だけ薄くなり、 前記真空生成装置は容器内の真空を解除して前記蓋を取り外しやすくするための無弁の真空解除部をさらに備え、前記真空解除部は前記剛性縁部の外側に突出する部分と、前記外側に突出する部分の範囲内に設けられる前記弾性膜の部分とを備え、前記外側に突出する部分は十分な大きさを有することをもって、指又は指様の部材が前記弾性膜の部分を押さえることによって前記容器の真空を解除することを可能とする、真空生成装置。