花王 ヒドロキシルプロピル化デンプンで肥満対策
ヒドロキシプロピル化デンプンを使用した肥満予防・改善剤についての特許です。
ヒドロキシプロピル化でん粉は、加工でんぷんの一種です。加工でんぷんはでんぷんに化学的処理を施したもので、2008年に食品添加物に指定されています。それ以前から食品として認可されており、広く流通していました。
ヒドロキシプロプル化デンプンは、澱粉に酸化プロピルを反応させて澱粉の水酸基をエーテル化しています。プロピル基が導入されると、澱粉が安定したらせん構造をとれなくなり親水性が高まります。そのため、加工前の澱粉に比べて、低い温度でα化する、長時間置いてもβ化しにくい、といった性質をもちます。この性質を生かして、パサつきにくいベーカリー、自然なとろみの冷凍スープ、など様々な用途に広く使用されます。
発明者は、このヒドロキシるプロピル化澱粉が肥満予防や改善に効果があると述べています。ヒドロキシルプロピル化澱粉は、長年使用された実績があり、安全性が高いとされています。また、キロ当たり単価は数百円であり健康食品素材としては安価です。また、風味はほとんどないので様々なアプリケーションが可能です。花王はこれまで食品分野では特定保健用食品の大型商品(エコナ、ヘルシア)で勝負しています。ヒドロキシプロピル化澱粉をどのような大型商品に仕上げるのか、興味深いところです。
【特許番号】
P5026657
【名称】
肥満予防・改善剤
【特許権者】
花王株式会社
【課題】
肥満予防・改善剤、高脂血症の予防・改善等、種々の生活習慣病の発症を予防・改善する効果を発揮し、安全性が高いと共に適用範囲が広く、且つ食感を損なうことが少ない食品、医薬品等の素材を提供する
【請求項】
ヒドロキシプロピル化された澱粉を有効成分とする、
①エネルギー過剰摂取による血糖値上昇の抑制剤。
②エネルギー過剰摂取による血中トリグリセリド上昇の抑制剤。
③エネルギー過剰摂取による糖尿病の予防・改善剤。