食品特許を読みあさろう

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長谷川香料 熱に弱いコーヒーポリフェノールの精製方法

ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸を多く含む飲料として、コーヒーの生豆を使った生豆茶がネスカフェより発売されています。コーヒー生豆をお茶として販売するマーケティングに感心させられます。

クロロゲン酸の構造式 

ところでクロロゲン酸は熱に不安定で、コーヒー豆を焙煎する過程で分解されてなくなってしまいます。よって、生豆または浅煎りの豆を使用する必要があります。

コーヒーの生豆や浅煎り豆を食品に使用する場合、殺菌が必要です。ところが、熱をかけるとクロロゲン酸が分解してしまいます。

本文献では、浅煎り豆の抽出液を濃縮して、エタノールを加えて不純物を沈殿させることで高濃度のクロロゲン酸を含む濃縮液を得ています。通称「エタ沈」って方法です。この方法ならば加熱殺菌をせずとも微生物を実質的に除去できるようです。

加熱に弱い成分の精製方法として参考になります。

【特許番号】

P5079373

【名称】

精製クロロゲン酸類の製造方法

【特許権者】

長谷川香料株式会社

【課題】

簡便な方法で、効率よく高純度のクロロゲン酸類を製造する方法を提供することにある。また、耐熱性菌の芽胞も含め微生物が実質的に除去された精製クロロゲン酸類の製造方法を提供する

【請求項】

水分含量50%以下、かつ、pH1~6の酸性である高濃度濃縮焙煎コーヒーエキス(但し、L値として30~55の焙煎を行ったコーヒー豆から抽出したものに限る)とエタノール水溶液またはエタノールとを接触処理して、析出する不溶物を除去することを特徴とする精製クロロゲン酸類(但し、本発明でいうクロロゲン酸類としては、クロロゲン酸、カフェー酸、フェルラ酸、イソクロロゲン酸、ネオクロロゲン酸ならびにこれらの酸のナトリウム、カリウムの水溶性塩類を意味する。以下同じ。)の製造方法。