食品特許を読みあさろう

食品関連の特許をアレコレ読んで紹介します

2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

東洋ライス 研がなくていい、だけじゃない無洗米「金芽米」

前回まで3回にわたって無洗米の製造技術について紹介しました。今回は現在のところ最も進化した無洗米、東洋ライスの「金芽米」について紹介します。 従来の無洗米は、通常の精白米と違って研がなくてもよい「簡便さ」が利点でした。金芽米は「簡便さ」に加…

無洗米の製造方法をめぐる戦い3 サタケはタピオカで米をとぐ

前々回、前回にわたって、無洗米では後発である東洋精米(東洋ライス)の特許について紹介しました。今回はパイオニアであるサタケの技術について紹介します。 サタケは加水方式での無洗米製造技術を進化させ、NTWP方式という方法を確立しました。 加水方式…

無洗米の製造方法をめぐる戦い2 東洋ライスは水を使わずに米をとぐ

前回、東洋精米(現・東洋ライス)*1の「洗い米特許」について紹介しました。この特許は、同業のサタケによる無効請求により無効化されました。 しかし、東洋精米は「洗い米特許」の加水方式を超え、一歩先の技術へ進んだのです。 まず、サタケの方法や東洋…

無洗米の製造方法をめぐる戦い1 東洋精米「洗い米特許」

無洗米に関する特許を3回にわたって紹介します。無洗米の製造装置を販売する競合2社:東洋精米とサタケの争いを追っていきます。 無洗米はご存知の通り、研がずに炊けるお米です。精白米の表面に残った糠をあらかじめ除去しているので、水洗いなしで研いだの…

ハウス食品 イグノーベル賞をとった玉ねぎ研究の特許について

2013年のイグノーベル賞が発表されました。日本人の受賞は7年連続だそうです。ユニークな研究が多く、とても面白いです。 受賞した研究全体は2013年イグ・ノーベル賞の研究をひと通り見てみました。-蝉コロンがわかりやすいです。 そのうち食品に関係する研…

日清製粉「コツのいらない天ぷら粉」 湿熱処理小麦粉で天ぷらをサクサクに揚げる

日清製粉の「コツのいらない天ぷら粉」についての特許です。小麦粉に湿熱処理をしてグルテンを変性させているので、テキトーに作ってもサクサクした天ぷらを揚げることができます。 前回、家庭用の揚げもの用ミックス粉市場の最先端というべき「レンジでチン…

昭和産業「レンジでチンするから揚げ粉」 電子レンジでは澱粉がカリッとしないので

昭和産業「レンジでチンするから揚げ粉」についての特許です。鶏肉に粉末をまぶして電子レンジ加熱するだけで唐揚げを作ることができる唐揚げ粉で、ヒット商品になりました。 一般的に唐揚げは、小麦粉などの穀粉・片栗粉などの澱粉からなる衣を調味した肉に…

キッコーマン トマトで醤油をつくる

トマトを発酵させてつくる醤油様調味料についての特許です。 昨今、食物アレルゲンへの関心が高まっています。食品各社では、商品の使用アレルゲン表示を充実させる、特定のアレルゲンを含まない商品を開発する、といった対応を進めています。そうした対応は…

明治 乳児用ミルクをキューブ状に成形する

明治の乳児用ミルク「ほほえみ らくらくキューブ」についての特許です。このミルクは粉末ではなくキューブ状になっています。キューブ1個が50ml用の大きさになっているので、計量スプーン等を使うことなく簡単にミルクを作ることができます。 乳児用ミルクは…

ヤマザキ「超芳醇」 「超熟」の特許をいかに回避したか?

敷島製パンの大ヒット「超熟」に負けじと追随した、山崎製パンの「超芳醇」についての特許です。 前回、湯種法で造られたパン「超熟」の特許を紹介しました。今回紹介する山崎製パンの「超芳醇」の製法は、敷島製パンの「超熟」の製法と基本的には同じもので…