食品特許を読みあさろう

食品関連の特許をアレコレ読んで紹介します

ロッテ Fit'sはコミュニケーションツールとして設計されている

ロッテのガム「フィッツ」の包み紙についての特許です。

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ロッテのフィッツはユニークなCMが話題となったヒット商品です。

プロモーションがキャッチーでしたが、ガムの柔らかい食感や、今までにない斬新な包み紙も面白いものです。

この商品に感じたのは、ロッテがガムを「コミュニケーションツール」と定義して企画・開発したのでは?ということです。(以下、憶測です。)

ガムを食べる理由はたくさんありますが、その中で「ガム食べる?」とガムを人に勧めるシーンを想定します。すると、ガムの価値は「美味しい」「眠気が覚める」「虫歯にならない」ではありません。

「コミュニケーションを円滑にすること」が価値になります。

 

実際のマーケティング施策は、ガムから始まるコミュニケーションが円滑になるように設計されているように思われます。「ガム食べる?」の後のコミュニケーションが容易に想像できます。例えば、、

佐々木希かわいいよねー」

「あの踊り、お前ちょっとやってみろよ!」

「このやわらかい食感どう?好き?」

「これ、味が変わるらしいよ」

今後のマーケティング 施策もコミュニケーションの促進という軸で行われるものと予想します。

包み紙にも工夫が凝らされていて、特許が成立しています。

この包み紙なら「ガム食べる?」って勧めるときに相手が「何これ!」って感じるインパクトがあります。「ちょっと見せてよ~」って会話にもつながります。

また、1枚取り出すとガムの一部が露出してしまいます。「後で食べるよ」ってことにはならず、その場で食べざるを得ません。これも体験の共有を通じてコミュニケーションを促進しています。

  

開発の現場では「美味しい」とか「健康にいい」とか機能的な価値に囚われがちです。

フィッツは「コミュニケーションを促進する」という情緒的な価値と、製品のスペックを見事につなげています。そして抜け目なく特許で他社がまねできないようにしておく、という開発の仕事もきっちりやっています。

近視的になりやすい技術者、開発者の一人として大いに参考にしたい商品です。

そういえばタレント変更したみたいですね。

 

【特許番号】

P5401040

【名称】

包装体

特許権者】

株式会社ロッテ

【課題】

板状食品をコンパクトに収納するとともに、片手が塞がっている場合でもその板状食品を容易に取り出して喫食することのできる包装容器の提供を課題とする。

【請求項】

それぞれ包装紙により包装した複数の板状食品を横方向に並べて包装器材に収納した包装体において、

 上記包装器材が、主板の下縁に底板を介して前枠板を連設し、該主板の左縁に左側板を介して左枠板を、該主板の右縁に右側板を介して右枠板を連設し、また、該主板の上縁に連結板を介して蓋板を連設した台紙を組み立てて、該主板、底板、左右の側板、並びに前及び左右の枠板によって収納部を形成してなり、 上記複数の板状食品をそれぞれ包装する各包装紙が、上側の抜き取り部と下側の固着部との間にミシン目を有し、そのミシン目を切断し抜き取り部を抜き取って開封可能に構成され、

 上記包装紙により包装した複数の板状食品が、上記包装器材に対して、それぞれ各包装紙の上記固着部において固着されており、 各包装紙の上記固着部の上下方向の長さが上記前枠板の上下方向の長さより大きいことを特徴とする包装体。