クラウンコルク ヒンジキャップのつばにタンパーエビデンスカバーをつける
タンパーエビデントカバーの付いたヒンジキャップについての特許です。
タンパーエビデントとは食品などが未開封かどうかが判別できる状態のことです。グリコ森永事件に代表される食品への毒物混入を防ぐためには、その商品が未開封かどうかを容易に判別できるようにしておくことが重要です。タンパーエビデントカバーは、未開封であることを保証するためのカバーのことです。フィルム、プルキャップ、その他、様々な方法が選択されます。
ヒンジキャップは蝶つがいの付いたキャップのことです。醤油のボトルなど、パカッと開く部分がヒンジ(=蝶つがい)キャップです。
ヒンジキャップを使った製品にタンパーエビデントを持たせる場合、マヨネーズのボトルのようにキャップを外したところにフィルムを張り付ける、サラダ油のようにヒンジを開いたところにプルキャップを付けておく、といった方法もあります。
本文献ではヒンジがパカッと開かないように、蓋の取っ手部分にカバーを付けています。このカバーはキャップ本体と薄いプラスチックで接合されており、プルキャップと同様に薄い部分を破らないと開封できない仕組みです。このようなカバーが付いたボトルは従来もありましたが、キャップの側面を手で持った拍子に、カバーが開封されてしまうことがあったそうです。そのため、側面から力が加わってもカバーが外れないように、上から指で外す構造にしています。詳しくは特許文献の図を参照してください。
このような包材の形を真似されないようにするためには、特許だけでなく、意匠を取得するという方法もあります。意匠権はデザインを守る権利で、特許と同じく特許庁で審査される知的財産権です。特許のような実用面での新規性がなくても、美的なデザインといった面で新規性が認められれば取得することができます。食品包材のデザインの多くは、意匠と特許の両方で守る、というのが定石になっています。
【特許番号】
P5046486
【名称】
ヒンジキャップ
【特許権者】
日本クラウンコンク株式会社
【課題】
容器にキャップを装着した後に、ハンドリングの際におけるグリッパーとの干渉によるタンパーエビデントの破損を防止したヒンジキャップを提供する
【請求項】
容器の開口部に固定されるキャップ本体と、該キャップ本体の開口部に開閉可能にヒンジ連結されて封止される上蓋と、前記キャップ本体の頂板部に前記上蓋がヒンジ連結される連結部分とは反対側周面に設けられた開封用鍔部と、前記開封用鍔部の先端最外周部分を覆うとともに破断可能な弱化部を介して前記キャップ本体に連結されるタンパーエビデントカバーとが設けられ、前記タンパーエビデントカバーの上端が前記開封用鍔部上端より下方に位置すると共に径方向外方且つ下方に傾斜して延び、該タンパーエビデントカバーの上部先端が該開封用鍔部の上部側壁面に連なって形成され、前記タンパーエビデントカバーの上端には開封用タブが設けられ、該開封用タブは前記タンパーエビデントカバーの周方向外側に位置していることを特徴とするヒンジキャップ。