食品特許を読みあさろう

食品関連の特許をアレコレ読んで紹介します

森永製菓 具が偏らない具入りチョコレートの造り方

ナッツやパフなど具材の入ったチョコレートの製造方法に関する特許です。

←たぶんコレについての特許です。

チョコレートは一般に型に融けたチョコレートを流しこんで冷やし固めることで製造されます。具入りのチョコレートでは、冷やし固める過程で具が浮かんできてしまい見た目が良くなくなってしまいます。さらに、チョコレートは冷やすと体積が小さくなるので、具材の多い上面*1は縮みにくく、チョコレートの多い下面はよく縮みます。そのため弓なりに曲がってしまいます。曲がってしまうと、箱に詰めにくいし、割れの原因になります。

 Chocolate.jpg

そこで本文献の方法では、まず具入りのチョコレートを型の6~8割程度まで充填して冷やし、具が動かないドロッとした状態にします。その上から具なしのチョコレート充填して冷やし固めます。すると、具材がチョコの中層に多くなります。そのため、冷やしても上下面の縮み具合が同じなので、曲がることなく、平らなチョコレートを造ることができます。

 

【特許番号】

P4810369

【名称】

具材入りチョコレートの製造方法

【特許権者】

森永製菓株式会社

【課題】

表面から具材が突出せずにすっきりとした外観を有し、反りの形成が抑制された具材入りチョコレートを提供する

【請求項】

第1のチョコレート生地及び該チョコレート生地より比重の軽い粒状の具材を混合してモールド内に充填する第1充填工程と、前記第1充填工程を経たモールドをタッピングして前記具材を前記第1のチョコレート生地の上部に浮き上がらせ、かつ気泡を除くタッピング工程と、前記タッピング工程を経たモールド内に第2のチョコレート生地を充填する第2充填工程を含み、前記具材として最大粒径が第1のチョコレート生地の厚さの0.05~0.5倍のものを用い、前記第1充填工程における第1のチョコレート生地の充填量と前記第2充填工程における第2のチョコレート生地の充填量との質量比を4:1~3:2とし、前記チョコレート生地の全体量100質量部に対して、前記具材を3~10質量部含有させ、前記具材が、前記チョコレートの平面方向に沿って層状をなして埋設されており、前記チョコレートの表裏面から該具材の層までの深さが、それぞれ1.5mm以上とされている具材入りチョコレートを得ることを特徴とする具材入りチョコレートの製造方法。

*1:製品としては型抜きするので、下面になる