食品特許を読みあさろう

食品関連の特許をアレコレ読んで紹介します

ユニチカ 酢酸菌でラクトビオン酸を造る

アルドン酸は糖酸の一種で、グルコン酸やマンノン酸などを含むグループです。

本文献はアルドン酸の製造方法となっていますが、実質的にはアルドン酸の一種であるラクトビオン酸の製造方法に関するものです。

ラクトビオン酸はカスピ海ヨーグルトに含まれ、整腸作用、脂質代謝改善作用、ミネラル吸収促進作用、卵殻強化作用持つとのことです。

しかしながら、ラクトビオン酸の使用方法に関して雪印が強力な特許(P3559063、P3501237)を持っています。雪印以外の企業がラクトビオン酸を含有した食品を販売するには壁があります。

ちなみに雪印はメグパワーという製品にラクトビオン酸を配合しているようです。

本文献では、乳糖を酢酸菌によって発酵させてラクトビオン酸を製造しています。食品用や飼料用として安全性の高い方法で製造するためです。この方法によって、食品用ラクトビオン酸の量産化が可能になったそうです。メグパワーには、ユニチカ社が製造したラクトビオン酸が使用されていると思われます。

 

【特許番号】

P5100987

【名称】

アルドン酸の製造方法

【特許権者】

ユニチカ株式会社

【課題】

ラクトビオン酸を容易にかつ安全性の担保された方法で製造することが特に望まれていたが、アルドン酸の化学合成品は国内の法規制上、食品や飼料用途に使用することができない。また、アシネトバクター属やブルクホルデリア属などの微生物は安全性が十分に担保された菌株とはいえず、これらの微生物を用いて生産したアルドン酸を食品や飼料用途に用いることには問題があった。本発明は安全性の担保された微生物を用いて効率よくアルドン酸を製造する方法を提供する。

【請求項】

ヘミアセタール水酸基を有する基質であるオリゴ糖に、グルコノバクター属、グルコノアセトバクター属、またはアセトバクター属に属する微生物の菌体を接触させ、該ヘミアセタール水酸基を酸化し、該基質であるオリゴ糖に対応するアルドン酸を生成することを特徴とするアルドン酸の製造方法。